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「ほら、黒沢の“クロ”だろ、白石の“シロ”だろ、それに玉川の“タマ”だろ。なんか猫っぽい名前だなーって。後昨日の騒動もあったし。」
「昨日の騒動?」
「んーっとな、」
一応簡単に説明しておこう。俺はあの後妹にかなり弄られたあげく、看護婦さんに顔に猫髭書かれるわ別の人に猫耳つけられるわで散々な目に遭ったのである。
「大変だったんだね。」
「うん、大変だった。」
「でも、私はこの名前、好きだよ?」
「では、この名前で決まりですね。早速手配お願いしますわ。」
「あーそっか、俺だったな。」
すっかり忘れてた。俺生徒会長だったな。
「あー、うん。朝のうちにやっとくわ。」
「ありがとうございますね。」
こうして早速野良猫探偵団は出来上がるのだった。
―昼休み。早速我らが探偵団に依頼が届いた。
「うーっす、クロ、妙なもの建てたんだろ?」
「俺じゃねーけどな、トシ。」
彼はサッカー部の1年、中村俊明。小学校からの長い付き合いだし、お互い色々知ってる。
「で、何の用だ?」
「早々、早速その探偵団とやらに依頼なんだが。」
「ちょっと待て、シロ、タマ、集合。」
「なんだそれ。」
「暴走令嬢がこう呼べって。」
「はいはい。」
「何でしょう?」
俺は二人の目を見ると、こう言う。
「初仕事だ。」
「あら、早いですわね。」
「まあ、いいじゃないか。」
俺はトシの方をチラと見た。やつは日和に夢中みたいだ。
「で、何があったの?」
「んーっとな、部長のスパイクが盗まれたらしい。」
「具体的に聞いてもいい?」
「確か…」
―先週の金曜日の話だ。ミーティングが終わった後に、
「スパイクがねぇ…」
「盗まれたんですか?」
「考えたくはないが十分にあり得る。まさかお前じゃないよな?」
「もしそうだったらここで自害しますが?」
「あー、じゃあ違うか。」
「まあ、つまりだ。犯行時間は先週の金曜日の部活中のはず。まあ、詳しい話は部長とマネージャーに聞いた方が早いと思う。」
「そうなんだ。それにしても何でスパイクなの?」
「それは新品だからだろ。明日の練習試合で使う気でいたから。」
「そうですか…では、ご飯を食べたら聞き込みですわよ!」
「だな。まあ、とりあえず腹が減っては調査もできぬ。」
「んだんだ。」
「誰だお前ら。」
こうして初仕事に打ち込むのであった。まあ、グダグダだけどあまり気にしない方がいいのかもしれない。
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