結成!野良猫探偵団!

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「んー、俺は水筒取りに入ったよ。先輩方後輩から巻き上げるから部室においてあった。」 「あれは…少しもらっただけだ。」 「…無断で勝手に飲んで、『あ、悪い』で済む問題じゃないですからね。大体先輩方はボールの片付けとかも…」 「…今度生徒会の話題に取り込んでおくから落ち着け。」 「あ、悪い。少し取り乱した。」 少しじゃねーよ。かなりだよ。 「…でだ。俺が入ったときにはまだあったよ。」 「そうなんだ?」 「ああ。鞄を先輩の近くにおいてたからな。」 そんなことを聞きながら、小声で千代に、「サッカー部の部室の写真を撮ってきてくれ。もし何か変なものや傷を見つけたら、それもよろしく。もし入れてもらえなかったら、この許可証を出せばいいから。」と言った。千代は頷くと、静かに教室を出た。 「…ところでさ、あの娘は?」 「貴重な情報源。同じクラスの竹虎千代。」 「あー、千代っぺか。」 「ところで何で彼女に頼みましたの?」 「あーまあ、この状況だと俺らより動きやすいだろ?」 「なるほど。」 2人のためにやった、とは言わないでおこう。 「…続けていいか?」 「あぁ、悪い。」 「んで俺が入ったときには確か夢野先輩が探し物してた。」 「探し物?」 「ああ、ビブスを返すのをその前の日に忘れたからね。探して籠に入れたんだ。」 「…トシは理由、知ってたのか?」 「んーにゃ、知らない。だって俺は用が済んだらとっとと出たからな。」 「夢野先輩はその後に出たんですか?」 「ああ、そうだよ。」 「わかりました。最後に箕輪先輩、お願いします。」 「むっ、私か」と独り言のように言って、こう話し始めた。 「私は2人が出てから15分位後に入った。ビブスの籠を取りに行ったのは知っているだろう?確かそのときにはもうなかったはずだ。」 「なかった?」 「んっ、何かおかしなことを言ったか?」 「いえ…」 何かが引っ掛かる。箕輪先輩の発言が正しいとしたら、先の2人のどちらかが犯人となる。まあ、2人いる間は犯行がやりにくいだろうから、おそらく夢野先輩になるだろう。それかグルだろうな。 「かごはそのままお持ち帰りで?」 「ああ、籠は棚の上のをそのまま取って持って帰った。」 まあ、何らおかしくない話だが。 「あの、ただいま…」 「千代、首尾は?」 「はい、えっと、あの、夢野先輩と、箕輪先輩が、話を、している、姿を、度々、目撃した、部員が、多い、みたい…」
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