ドキドキ!?温泉旅館!(前編)

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俺たちは今温泉旅館に来ている。まあ、簡単に言えば合宿みたいなものだ。 「みたいなもの、じゃなくて合宿ですわよ?」 「のわ、聞いてたのかよ!?てかそもそも何の!?」 「探偵団結成を祝って…」 「それただの結成記念だよね!?ここに来る必要は全くないよね!?」 少しだけ涼子は考え、 「特にないですね☆」 「俺の休日返せよ!」 「落ち着いて…」 千代が止めに入ってきた。 「今回はトラの顔に免じて許すけど…」 「あ、そうそう、こんなもの作ってきましたの。」 「って人の話聞けよ!?」 何というマイペース。さすがの涼子である。もう少しいうと安心の涼子クオリティ。 「お褒めに与り光栄ですわ。」 「誰も褒めてないから。そしてそれは何だ。」 涼子が取り出したのは猫耳と尻尾だった。ついでに猫手猫足もあるが、部屋についてから見せるとか。 「いや、ここまで見せたら見せようよ。」 「わがままな人ですわね。」 「「どっちがだ。」」 まあ、何というか作ったらしい。クオリティは星3つ。 「…で、これをどうしろと?」 「このメンバーでいるときは着けようって感じかな?」 「ご名答ですわ、タマ。」 「え…やだ…」 千代が拒否する。まあ、それはもっともな反応だろう。だが、 「じゃあ私はその拒否権を拒否しますわ。」 「…(てめぇ…)」 「あんた、いい加減我慢ってことを覚えたら?」 「タマ、シロに、何、言ったって、無駄…」 「だろうな。」 涼子はこの意味を理解していないらしい。 「あ、ちなみに、感情とかで動くようになっていますのよ?」 「無駄だけどすごいな。」 「だから隠し事はできませんの。」 まあ、隠し事するくらいならこの活動やっていけないだろうが。探偵は隠し事見抜く能力備えなきゃならないし。 「…ところで、入らないのか?」 「ああ、すっかり忘れていましたの!」 「忘れるな。そして今は猫耳は取れ。」 ぶっちゃけ色々忘れてそうだが。なんて思ってると、千代が裾をクイッと引っ張った。 「どうした?」 「ここの、露天風呂、混浴…」 「はあ!?」 「え…(でもクロになら…)」 「…(健一くんとなら…)」「あら…(それが狙いですの。)」 「!!(なんだってぇー!?)」 なんかもうこの人には参った。勝てる気がしない。そして、猫セット一式を着けさせられた一行は部屋へ向かった。 この旅館でこれから起こる悲劇も知らずに…
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