ドキドキ!?温泉旅館!(前編)

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「中川、伊藤。」 「はっ。」 どこから来たんだろう。白石家のメイドさんたち。何て言うかどこに隠れてたんだろう。 「例のアレの準備はできてらっしゃる?」 「すぐにでも始められますか?」 「いや、今はいいわ。」 「そうですか。ではまた必要なときにでも。」 何なんだろう、非常に嫌な予感がする。いや、嫌な予感しかしない。 「ところで、今からどうするの?」 日和がひょんなところから―机の下から顔を出した。 「わっ、どこから沸いてきた!?」 「えっとですねぇ…」 「先にツッコんであげて!?」 まあ、相変わらずというか何というか…とりあえずこれだけは言える。今のところ異常なしと! 「浴衣を来て温泉に行こうかと。」 「あー、じゃあ俺はあっちで着替えるわ。」 「あ、色々細工してもらったから。」 「…ってことは?」 「この部屋以外使えないわよ。」 「!!」 じゃあ、早速…っていう展開になりかねないのはわかっていた。わかっていたけど逃げ場のない俺。どうする、どうするんだ俺!? 「んじゃ後ろ向いてるから。」 「…クロ、興奮してる…」 「見るな。」 そりゃ男の人だったら興奮するさ。興奮するさ!でもそれが隠せないのはなぁ…猫耳のせいで。 「ちょ…やめ…」 「あらあらトラ、そんなに暴れると…」 「きゃあ!?」 ふにん。何か柔らかいものが俺の背中に当たった。ここで後ろを向いてはいけない。それが男というものだ。 「…(チャンス?)」 「「!!」」 なんか強く抱き締められてる気がする。ダメだ、これ以上は我慢できない。 「とりあえず離れなさい。」 「…興奮してるのに…?」 「いいからさっさと離れなさい。」 「…クロが、言うなら…」 と油断していると、 チュッ 「へ?」 「あわわわわわわ…」 「…(プチッ)」 「…隙あり…」 まあ、何があったのかはすぐにわかると思う。いや、音とか雰囲気で。 「とりあえず、ここに油性ペンがあるんだけどナー?」 「な、何、する気…?」 「あら、聞かなくてもわかっているじゃない。」 俺は一切知らない、俺は… 「もちろんクロも同罪ね。」 「はぁ!?」 勢いで後ろを見てしまった。白い肌、赤や黄色の… 「がおぉぉぉお!?」 「うわぁ!?」 このあとどうなるのかは本当は内緒にしておきたいのだが…まあ、とある理由で放送規制がかからない程度にお話しすることにしよう。
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