ドキドキ!?温泉旅館!(前編)

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「イヤァァァア!」 千代の悲鳴が響く。まあ、俺はとりあえず黙って背を向けることしかできなかった。 「あら、いい声ねぇ。」 「…(なんで俺の回りにはこうもSな人が集まりやすいんだろうか…)」 まあ、心の声なんで、誰も聞こえてない。いや、聞いても答えられないだろう。作者の趣味だもの。 「もう書くところないの?」 いや、早いな。まだ数分しか経ってないが。ここで後ろを向けないのがイジらしい。俺だって男だもの。 「で…」 「次はクロの番♪」 「だが断るっ!」 俺はドアを開けた―そのときだった。 「きゃあ!?」 「うわっ、ごめん、大丈夫?」 「むぅ…」 この声は聞き覚えがあった。 「あれ、藤村先輩ですか?」 「あれ、健ちゃんだ。どったの?」 「野良猫探偵団結成記念の旅行だそうです。」 「へー。こっちは健ちゃん以外の生徒会でモテない女3人旅。」 嘘つけ。あなたたちが振っているからでしょうが。 「そうですか。」 「あ、会長とかも隣の部屋にいるからね。」 「あ、ちょうどいい機会ですので呼んでもらえますか?令嬢が暴走中なので。」 「自分で行けば?」 「着替え中だったら悪いですし。」 そういうと、藤村先輩はニヤリと笑って、 「いいじゃん、美味しいハプニングと思えば。」 いやいや、そんな軽いノリのものじゃないから。 「んー、じゃあ、せっかく猫耳とかついてるから、猫の真似1回でいいよ?」 「…わかりました、そのくらいなら。」 「あ、そうだなぁ、四つん這いになって片手を上げて上目ならなおさら…」 鬼か、悪魔か、この人は。 「違うよ、小悪魔だよ?」 「余計にタチ悪いですよ?」 「そうかな?じゃ、早速やってみよー!」 はいはい、と俺は呟くと、回りに誰もいないことを確認して、言われた通り四つん這いになった。そして片手をあげ、上目でにゃあ、と言った直後だった。 「…何やってんの?」 「に゛ゃっ!?牧野…先輩…?」 「あらあら…」 「んーとね、」 藤村先輩が事情説明。 「なるほど、であんたは猫の真似をやっていた、と。」 「はい、おっしゃる通りです…」 「…私も呼んでからやりなさいよ!?」 「怒るところ違いますから!?」 「騒がしいわねぇ…あ。」 ちょうど涼子が出てきて、牧野先輩に怒られたのは言うまでもないことだろう。ちなみに、このあと涼子は千代と同じことをさせられました。
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