ドキドキ!?温泉旅館!(前編)

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「ところで、この後の予定は?」 牧野先輩がふと聞いてきた。 「今から温泉に入りに行きますが、その後は何もないですよ?」 「じゃあ、上がってから夕飯の時間まで例のアレ、決めちゃいましょう?もう時間がないもの。」 「了解です。先輩の部屋でいいですね?」 「ええ。」 それだけ決めてからとっとと温泉へと向かった。まあ、どうでもいいが、今はまだ春である。寒いわけでもないのになぜか皆温泉へと急いだ。と、ここで重大なことを思い出した。 「ここ、混浴でしたよね?」 「そうよぉ?それがどうしたのぉ?」 坂本先輩、わかって聞いてますよね?明らかに男女比がおかしいって。 「ちなみに、貸しきりだったりします。」 「涼子、てめぇ…」 「あら、シロって呼んでもらいたいのですが。」 「今はそんなことどっちでもいいわ。計ったな?」 「あら、いやですわ♪」 ああ、やはりこの人はかなりの大金持ちです。金で沈めたに違いない。 「あと、皆さんが持ってるそれは?」 それ、というのは絵の具と筆。明らかに嫌な予感を感じさせる。 「あー、うん、ね?」 「うん…」 「まあ、堅いことは気にしない気にしない。」 「後でわかるわよぉ。」 「まあ、ね、せっかくだから。」 「気にしたら負けですの。」 いや、気になるのが普通じゃないか?常識的に考えて。 「ほら、見えてきましたわよ。」 そこには暖簾が。男女違うところで着替えて、中で合流できるようになっている。 「それじゃ、後でな。」 「うん、逃げたりしたらダメだよ?」 「へいへい。」 俺はそう言いながら、男と書かれた暖簾のかかった部屋に入る。 「まあ、あいつら何をしようが、俺は巻き込まれないことはないだろうからな…」 二重否定イコール肯定というのを踏まえてそんなことを言ってみる。まあ、今までもそうだったし、今回もきっとそうだろう。間違いなく、100%。 ―さて、着いたときには、先客―と言っても白石家のメイドさんたち―がいた。何やら準備をしているようだ。 「首尾はどうですの?」 「はっ、順調でございます。あと数分で準備が整います。」 「それじゃあ、ここで待っていますわ。」 「あの、これって…」 俺は何か怖いものを目にしたような眼差しでセットを見つめる。 「ええ、ボディーペインティング大会ですわ。」 「え、何、この小説の存続の危機?」 思わず聞いてしまった。
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