ドキドキ!?温泉旅館!(前編)

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「僕の口から言うと面白くないんで、ちょっと来てもらっていいですか?」 「はい、なんでしょう?」 「えっとですね、ごにょごにょ…」 「はい、わかりました。」 僕は概要だけ伝えると、自分の元いた場所へ戻る。まあ、誰が優勝か、を伝えただけだが。 「えー、ただいま、黒沢様からの要望で、優勝者をお伺いしましたので、私どもの口から発表させていただきます。」 「優勝は…」 まあ、盛り上がる、というか、先伸ばしにしたいだけだったりする。あと、この妙な緊張感も楽しみたいしな。 「竹虎千代様です。」 「…私…?」 「まあ、インパクトとかなら一番だしな。そういうの基準で選んだ。」 「そういうわけで優勝者の竹虎様には、今から1時間黒沢様の体に絵の具を塗り放題です。」 「では、あちらへ。」 「いいの…?」 「問題ない。」 まあ、千代は仲間がほしかったらしく、俺も虎になったわけだ。まあ、千代の方はたぶん落書きを隠すため、だったのだろうが。 ―まあ、そのあとは記念写真を撮り、体を洗って、また記念写真を撮ったわけだ。まあ、写真は記念になるし、いいとは思う。 「あー、すっきりした!」 「だなー。」 俺らが仲良く部屋に戻ろうとしたときだった。 「きゃー!」 …?聞き間違いか、と思ったが、 「…行ってみよう!」 「うん!」 声のした方へ向かった先には… 「え…」 「怖いよぉ…」 「怖いというよりはグロいわねぇ…」 女性の死体。凶器そのものは見当たらなかったが、確かに血が流れていた。 「警察とかにはすでに連絡しているようだな。」 「それまでに私たちに何ができるのでしょう?」 「俺らが解決できる事件でもなさそうだ。」 「事件?」 まあ、生徒会の面々はわからなくても当然だが、俺らは仮にも探偵団である。即席とはいえ、俺らも協力したい。なんて思ってると、警察が到着した。 「遺体は…無惨ですな。」 「…お父さん?」 「おや、優子か。ああ、そうだったな、お前も旅行中だったっけか。」 「うん、まあね。」 「牧野先輩のお父さんでしたか。」 俺は挨拶に行く。 「僕は生徒会長兼野良猫探偵団員の黒沢健一です。」 「君が例の黒沢君か。話は優子から聞いてるよ。いつも世話かけてすまないね。」 「いえ、こちらこそお世話になりっぱなしで…」 なんか挨拶が堅いが、まあ、気にしないでほしい。こうして、本物の事件に出会ったのだ。
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