ドキドキ!?温泉旅館!(中編)

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「ところで警部、事件の状況は?」 「あまり軽々しく警部って呼ぶんじゃない。お義父さんと…」 「…お父さん…?」 「はっ!?」 しっかりしてください、いや、マジで。 「殺されたのは三上 健二さん。会社の同僚3人と来ていた模様。殺害推定時刻は12時~14時までの間。」 「なんかありがち。」 「藤村先輩、ストレートに言い過ぎです。」 「だって…」 「陽子ぉ?」 ここで反応したのは坂本先輩。 「何よ?」 「あのねぇ、ごにょごにょ…」 「!!」 藤村先輩が少し嬉しそうな顔をしている。 「何を耳打ちしたんですか?」 「そうねぇ、この事件が解決したらわかるわよぉ。」 まあ、この人のことだからとんでもないのだろう。間違いなく、100%、何があっても、誰がなんと言おうとも。 「私、ひどい扱いねぇ?」 「いや、今までのがあれだったんで。」 「ふーん?」 どこからか油性マジックを取り出す坂本先輩。他の人は軽くスルー状態。誰もつっこむ気にはなれないらしい。 「…で、凶器は?」 俺はなるべく話題を変えようと、警部に振った。 「…う、うむ。ナイフで数ヵ所刺されていたのを見ると、失血死か心臓まで到達したことによるショック死が考えられる。ただ、血がたれているのを見ると、前者の方が確率は高いだろう。それに、誰かに呼び出されたらしいからな。」 となると、犯人は顔見知りの確率が高くなる。じゃないと素直に行くとは思えないし。 「ちなみに、同僚の3人にはそれぞれ話を聞いておいた。」 「うちの(ただし千代を除く)と違って仕事が早いですね。」 「今なんて言った?」 マジでキレる5秒前の日和。 「…イヤ、ナンデモナイデスヨ?」 「読みにくいからやめてくれない?」 「牧野先輩、ここは空気を読んでください。」 謝りながらもつっこむ俺。 「ふーん?部屋に帰ったら覚えておいてね?」 「すいませんすいませんすいません…」 「何がですの?」 気付いてないのがいた。 「…嬉しい…」 顔を赤くする千代。そこに、呆れている警部が割って入った。 「あー、話が進まないからそろそろいいかね?」 「どうぞどうぞ。」 「えーっと…」 わざとらしく間を入れる警部。必要はないが、臨場感はわく。 「あ、リストを置いてきた。」 回りにいた全員がこけた。まさかそういうオチになるとは。 「いやー、すまんすまん。」
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