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「ん……」
ある日の放課後…、男子校である豊学園2年5組。
ほとんどの生徒が、寮または自宅へと帰り、わずかな生徒だけが教室に残って居た。
「……き、……き!」
ん……
誰か俺を呼んでる……?
でも俺の名前「き」じゃねーし……。
そう思って、彼、高野 樹(タカノ イツキ)は聞こえる声を無視して再び眠りに落ちようとした。
だが、声の主はそれをさせてはくれず…。
「…つき!起きろって!」
うるさいなー…と意識がもうろうとする中、なんとか重い瞼を開く。
そこには困った顔で俺を起こす、茶髪の男、松前 項羽(マツマエ コウウ)が居た。
「なにー…?松後くん……」
まだまだ寝たりない俺は言葉を発しながら再び瞼を閉じた。
「ちょっ俺、松前なんですけど!つかいい加減起きれ!」
そう言った項羽は腹立たしげにデコピンを樹にくらわした。
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