【第1章】10年目の精霊祭

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召喚陣から白い煙が立ち上がる。 あの夢みたいに。 召喚陣の外側に立ち、両手を翳す。 あいつを思い出しながら深呼吸をして召喚の言葉を紡ぐ。 「精霊…俺はここにいるよ…」 クスクスと周りから嘲笑が聞こえる。 確かにね。 こんな呼び方をする奴は他にはいないだろうなぁ。 でも、俺はこれしか思いつかないんだーよー。 「もう…泣かなくて良いよ」 10年も1人で寝てたんだもんなぁ。 「…ずっと一緒にいよう」 召喚陣の中だけで白い煙が、渦巻き始めた。 俺は召喚陣の外側で両手を翳して、最後の言葉を言う。 「我、ジング・ダイドと契約を…」 そして、その後に起こるであろう突風に備えて構えた瞬間……。
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