【第2章】安心出来るは母の胸…ツルペタでもそれは変わらない

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「まずはそっと背中を撫でるんよ…」 ほほう…背中を撫でる…ね。 なでなでなでなで…。 …………カラ(さっき、火の精霊を召喚して契約した奴な)はそんな事はしなかったけど、契約方法には色んな種類があるのかな? 「泣くのが落ち着いたらそっと胸の所に持っていくんやね…自分の心音を聞かせるようにするとよ…」 ふむふむ。 おお! 本当だ! 泣き声が小さくなってきた。 力も弱くなって抵抗が無くなったよ! すげー! トクントクン言ってるから落ち着くのかな…。 でも精霊って心音が解るのかな。 うーん…まだまだ俺の知らない事が世の中にはあるんだなぁ。 「相手が体を預けてきたらそのまま体を撫で続ければ落ち着いてくるんやね…」 おし…再度…。 なでなでなでなでなで…。 おおお! すげーすげー! 本当に体を預けてきたよ! ムシュミさん、本当にすげーよ! 俺は、ありがとうを言う為にムシュミさんを見上げた。 目の前にあったムシュミさんの顔が、これでもかってくらい綻んで俺の頭を撫でた。 「はい。これがぐずった赤ん坊のあやしかたやねぇ」 ………………………。 そうでしたね。 ムシュミさんは精霊使いじゃなかったですね………。
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