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「村長ーーー!俺、見たよ!!」
「なんじゃと!ジング、お主、ワシがヘソクリを隠している所を見たのか!?」
「ちっがーーーうーーー!」
何で、朝からこんなやり取りなんですか!?
ムラギさん…アナタは一応この村のオサなんですが…。
「違う違う!俺、精霊の夢を見たんだ!あいつはあの時の精霊だよ!絶対に!」
俺がそう言うと、村長さんは両目が落ちそうになるくらいビックリしていた。
実は、村長さんは10年前、俺に精霊が召喚出来なかった事を一番に悲しんだ人だ。
その時俺は、両親を一度に亡くし、一番辛い時期だったんだ。
だから、俺に精霊が来てくれたら、少しでも悲しみが少なくなるんじゃないかと考えていたらしい。
そして、俺が「寝かしつけた」のを話した時も、何も言わず頭を撫でてくれた。
それからずっと、精霊祭があるたびに俺の「夢」を待っててくれた人。
「良かったじゃないか…ジングの精霊は大層な寝坊すけさんじゃったのぉ…ようやっと目が覚めたんだのぉ」
「そうだね…」
俺は、村長さんの向かい側に座って、夢の内容を話した。
村長さんは胸まで伸びたヒゲを撫でていた。
10年前は真っ黒だった…今では真っ白なヒゲを。
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