🌸かくれんぼ🌸

6/7
前へ
/25ページ
次へ
「あのね?遠くに行く事になったの」 泣きそうな顔をして あの子は俺とコウの顔を見つめた 「じゃあ、もうココには来れないの?」 俺達から視線を外すと 小さく頷いた 「うん…」 その姿を見て コウが必死で説得する 「無理だよ…」 あの子は小さな声でつぶやくと 唇をきゅっと結んだ 「僕、妖精の鍵、探してくる。」 俺の言葉にあの子とコウ 2人揃って俺を見た 「遠くに行っても、きっとまた会える…。お祈りするんだ、また会えますように。」 「また…会えますように?」 あの子が首をかしげて 俺の瞳を覗き込むように見つめた 「やめろよ、そんなのウソだ。」 コウが何か言っていたけど 俺には聞こえなくて あの子の小さな手を握って 黒目がちで潤んだ瞳を見つめた 「…信じる?」
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

20人が本棚に入れています
本棚に追加