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慣れない呼び方に照れながらそう呼ぶ私を、目を輝かせながら見てくる麻琴。
どうしたのかと見ていると、いきなり抱きつかれて私は目を少し見開く。
「かわいい!かわいすぎるよ!!」
麻琴はそういいながら私に頬ずりをしてくる。私は反応に困りながら手をわたわたと振る。紅ちゃんは、微笑ましげに見ながら最後の一口を口に含んでいた。
藍良さんが「俺も龍弥って呼んでくれ!」といってきたが、紅ちゃんと麻琴に睨まれて渋々断念していた。
「さて、そろそろお暇しますかね。麻琴、帰るぞ」
「仕方ないわね…紅、雫に手を出したら承知しないからね?雫、困ったことがあったらいつでも私のところに来てね!大歓迎だから。おやすみ」
「そんなことしねえよ!!」
「ま…麻琴、お、おやすみ…!」
紅ちゃんが突っ込んだあとに、頬をわずかに赤く染めながら今日最後の挨拶を麻琴に思い切って言う。麻琴と藍良さんは「じゃあ」と言い残してそれぞれの部屋へ帰っていった。
ちなみに、殆どの人が同姓との同居ならしい。人によれば異性とだったり、一人だったりとあるらしいが。
「俺たちも寝るか」
「うん」
私は頷くと、用意されたベッドの中に潜り込む。紅ちゃんはあいているもうひとつのベッドへと入る。私たちは最後に「おやすみ」といって、意識を手放すのだった。
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