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少女は少年を見つけるなりそばへと駆け寄った。
「紅ちゃん!?紅ちゃんしっかりして!?」
少女は目に涙を溜めながら紅にそう叫ぶ。すると、少し呻き声を上げながら紅が目を少し開ける。
「しず…く……?」
「今、治癒してあげるから…!“天使の癒し”」
雫は紅に治癒魔法をかけながら、周りを見渡す。紅は礼を言った後に、怒りに顔を歪ませながら雫にこう言った。
「雫ごめん…俺、子供たち守れなかった…あいつら、動けなくなった俺の目の前で子供たちを殺しやがったんだ…!しかも笑いながらこう言ったんだ…!『夫婦ごっこは楽しかったかい?それはよかったね。お前は苦しみながら死ぬがいいさ!彼女と一緒にいた罰としてさ!』って…!」
紅は怒りに拳を地面に打ちつけながら、悔しさに目に涙を浮かべていた。雫はあの人に対して、目に怒りを浮かべていた。
裏切ったあの人を、親友の彼を殺しかけたあの人を、自分のかわいがっていた可愛い子供たちをみんな殺したあの人を……殺してやる。
雫の心には、復讐という二文字しか浮かんでこなかった。二人は体を休ませてから、子供たちを弔った。そして、二人は復讐のためにあの人のもとへと向かった。
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