シュリエールの吟遊詩人

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 レイリアは哀しそうに薄く笑う。 「そうですか……。……ん?」  セラは窓の外を見る。  いつの間にか馬車は王都の中心にある王城へと向かっていた。 「お城……? ……え? この馬車、王城に向かっているんですか?」  慌てた様子のセラを見て、レイリアは少し驚いたように話す。 「そうだが、何か不都合でも?」 「いえ、不都合とかそういうのではなく……、まさか、行き先が王城だとは思わなくて……。吃驚したんです」  セラは窓から城を眺めながら答えた。優美な佇まいの王城は、昨日の祭りの余韻が少し残っているのか華やいだ雰囲気を持っていた。 「セイレーン国の王城は近隣諸国一の優美な佇まいだと聞いたことがあります。……噂通りですね」  うっとりとした顔で話す。 「そういえばまだ言ってなかったね。……セラ、こちらへ」  レイリアは馬車が止まると扉を開け外に出る。促されセラも馬車から降りた。 (……行き先もそうだったけれど、竪琴を聞かせる相手のこともあまり聞いてないな……)  レイリアに連れられ城の入り口まで辿り着く。
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