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天光はその女性に対して文句を言った。
「いってぇじゃねーか!!麟(りん)!!」
「この馬鹿狐!!また、龍希をいじめたな!!」
「え?り、麟。違うよ!」
龍希の声は麟と呼ばれた女性に届かず、天光は女性のアッパーを見事に食らう羽目になったとさ。
――――――
3人は客人用の机とソファーに座った。
天光は龍希と麟と向かい合うように座った。
麟は天光が付けていた半面に対し、謝罪の言葉を述べた。
「善、ごめんなさいね。あなたまで巻き込んでしまって…。」
『かまん。わしは頑丈に出来ておる。』
そう、おじいさんっぽい口調で天光達に語っていた善とは、この白い半面の事であった。
「ほんとうにな…。いや、俺も気にしてねえよ。」
天光は本音を言おうとしたが、龍希からただならぬ殺意を感じたのでやめた。
この2人は、天光が所属する組織『異形』のリーダーと副リーダーにあたる。
組織に所属する者ならば、タメ口なんかは聞いてはならない者である。
しかし、それは人間達の組織の中の決まり事。
ここの組織は『仲間』と言う言葉が近い集団なのだ。
『2人には悪いが、天光の奴が疲れておる。早く終わらせよう。』
「ええ、そうね。天光。報告お願い。」
麟は善を抱えて、天光に向き合った。
「了解了解。そんじゃあ、手短に言うぜ…。」
天光は報告を手短に話した。
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