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しかし、赤髪の青年は、確かにと納得がいった表情を浮かべた。
「ハハハ!それもそうだな。俺は『神野 黒神(かみの くろかみ)』。この組織を作った奴でもあるし、昔『妖王』と大袈裟に呼ばれていた妖怪さ。」
黒神はそう言って天光の隣へドカッと座り込み、麟にまた水を頼んだ。
麟は黒神を知っているようで、慌てて水を取りに行った。
天光は黒神の言葉に一瞬驚愕したが、すぐ、興味深そうな視線を黒神に送った。
「へぇ~。あんたが噂の『妖王』か~。俺は広生寺天光だ。この面は善。」
その言葉使いが悪かったのか、龍希は怒りを現す。
「天光!失礼だぞ!!」
「いいって、いいって。それより、お前も座れよ。どんな噂だ?」
黒神は龍希をたしなめ、席へ着くように言い、天光の話を聞く。
「色んな噂がある。まあ、よく聞くのは、クソかったるい『ゲーム』に付き合わされるって言う噂だな。」
途端、天光は嫌そうな顔をする。それに対するかのように、黒神の顔は満面の笑みを浮かべた。
「おう!そのとーり!『狐』は勘がいいな~。そうそう、お前は俺の余興に付きあって貰いてぇのさ。」
天光はその話を聞くと、急に高笑いをした。
「はははははははははははは!!」
そして、黒神に向かって舌を出し、
「絶対ヤダね!!」
断った。
黒神はその態度に怒ることなく理由を尋ねる。
「何でだ?」
「俺が得をしねぇ。俺は、ボランティア活動はしない主義なんでね。そこにいる龍希でも頼めよ。てか、なんで俺なんだよ?」
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