閃光少女

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「……馬鹿みてー」 病気になりたい!とか、きっとそいつらは頭が可笑しいに違いない。 どんなに魅力的な症状だとしてもこれは病、不健康、体調不良。 そんな軽々しく考えていいものじゃないんだっつーの。 ていうかこれって、サナダムシか? あいつに寄生されると頭がよくなるってどっかで聞いたことがある。 ………でも、少し(羨ましい)かも、とか…なんてな。 「想司君!」 突然、後ろの戸が開き俺一人しかいない教室に鈴のような声が響いた。 女子? 俺はどこの学校にも一人はいる『絶対関わりたくない人間』らしいので女子はおろか、男子すらも寄ってこない。 小さい頃は可愛いくて女の子のようだったのに、今ではがっちり体型の筋肉質。 強くなりたいからって勉強を疎かにし筋トレに励んだ結果だ。 親は「どうしてこんないかつい子に育ってしまったの」と(笑い)泣き、仲良くなりたかったクラスメイトは俺の顔を見ただけで竦んでしまう始末。 だから、心当たりはなかった。 無視。 「想司君っ、ねえ」 「そーうーじー君!」 「そーじー!」 なんだそのそーじーって、スージーみたいに言うな! と叫びたくなるのを堪えて窓の外を眺めていると、その女子は俺の席まで歩いてきて、止まった。 止まって、見つめてくる。じっと。 (え、俺何かしたっけ……?) 背筋がひやりとした。 この見た目のせいで色々な大変な目にあってきた俺の体は嫌な予感にはまことに敏感で、警鐘を鳴らす。 めんどうなことは、もう嫌だ! なるべく視界に入れないように、肩肘をついて手で片目を隠す。 怖い、だとか情けないが思ってしまったり。 「ねえ想司君」 これの続きをゆっくりと予想できる程の長い沈黙の後、この女子は予想の全く真反対の言葉を紡いだ。 「想司君、あたしに付き合って!」 机が倒れた。
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