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5 「もうさ。毎日まいにち、キライなそいつらのことを考えては気分がわるくなって」 そう云う刀馬は、春の微風になぶられて気持ちよさげだった。 「‥ったく。ひとの好き嫌いを、個別のデータの集積から凡例化するみたいな手続きは、いらないんだよ」 と千里は云う。 「‥そお?」 「好き嫌いは、経験じゃなくてたんなる嗜好なんだから」 「そうかなあ?」 千里は、コイツをブン殴りたくなる衝動に耐えた。 ◆
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