Trick ｏｒ treat

Trick or treat

婆は、あばら屋で一人、一足先にいつものはかない日常に戻り、ロッキングチェアでくつろいだ。

少しうとうとしてきた(日付も変わろうとしていた)その時に、扉を叩く音が聞こえた。

『trick or treat.』

再びあばら屋に魔力が立ち込める。婆には来訪者に見当がつかないが、どこかで天使の来訪を期待していたのかもしれない。

腰をあげ、明日の朝食にと取っていたパンきれを持ち、扉を開ける。