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ゆっくりポケットにハンカチを戻して、私は神楽を一振りした。
新たな裂け目ができる。
先程術式を放った裂け目はもう塞がっている。
裂け目が繋がった事を確認して、私は神楽を手放す。
地面に落ちていく中で神楽の刀身が消えていく。
刃が空間を切って自動的に収納されたのだ。
さて、気合いを入れていこう。
今から行くところには、さっき記憶を消さなかった2人がいる。
そして、その2人は仮にもそれぞれの世界の王なのだ。
会うのは何年ぶりだろう?
幼い時に一度会ったきりなので、覚えられてないかもしれない。
しかし、私は会わなければならない。
彼らの娘に魔法をかけてしまったのだから。
緊張を胸に秘め、私は足を踏み出す。
目的を果たすための一手を打つために。
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