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シャワーを浴びてすっきりした身体とは裏腹に重い気持ちを引き摺ってリビングへと向かう。
リビングとは言っても部長の家とは違ってワンルームだから寝室も兼ねているのだけど。
「……」
去年の冬、奮発して買ったソファから見えるのは、ふわふわの茶髪。
「ちょっとここに座りなさいよ」
正体は綾野ちゃん。
ソファ全体を使ってゆったりと座る彼女は女王の威厳と貫禄を見せている。
一言で言えば、超怖い。
当然そんな綾野ちゃんに逆らえる訳もなく、ラグの敷かれた床に本日二回目の正座をした。
「はい……」
「さぁ、話を聞かせてもらおうじゃないの」
そう言って腕と足を組む綾野ちゃん。
……わたしに明日はないのかもしれない。
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