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「モモカー! カワイイ!」
「ギャッ」
促されるままに、扉を開けてみれば、眩しい程キンキラに輝いた何かが体当たりしてきた。
「カワイイ! カワイイ!」
「えぇー!? 何、何!?」
この状況に陥るのには、数分前に遡る。
※※※※
部長に促されて車を下りると、そこはわたしの苦手な場所だった。
「行こう」
手をとられ、俗に言う恋人繋ぎなんかされても誤魔化されない!
「む、無理です! こんな所にこんな恰好で入れません! しっかもすっぴんでなんて……!」
歯医者を嫌がる子供みたいに駄々をこねる。
余計に注目されるのはわかっているけど、一人だけピシッとスーツを身に纏った彼の横を、こんなラフな恰好で歩いてはいけないと思うのです。
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