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高らかな音がしてエレベーターの扉が開くと、向こう側はほとんど音のない世界。
長い廊下にふわふわの絨毯が敷かれ、いくつかの扉が等間隔で並んでいる。
そこがホテルの客室フロアだと一目でわかった。
「こっち」
そう言って目的があるかのように歩く部長に着いていく。
何?
何で部屋に……え、ま…まさか……?
えぇー!?
そんなっ、まだ付き合って一週間くらいだし、まだ早いよ!
それに、心の準備だって……
そんなことを考えてしまい、急激に体温が上がってしまう。
「桃花?」
「ひゃっ!?」
突然立ち止まるものだから、部長の背中に思いっきりぶつかってしまった。
「ははっ、大丈夫?」
「だ、大丈夫でふっ」
噛んだ!
でふって!
こんなんじゃ意識してるのがバレてしまう。
と思った時にはもう遅く、部長の口角が上がってしまった。
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