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都築さんに紹介された彼女は、一瞬で満面の笑みを見せた。
「サラです! モモカ、よろしく!」
日本語うまっ。
女優みたいに整った顔は小さくて、背中で揺れる金髪は見事な輝き。色白でスタイル抜群なサラさんは、もしかしたら本当に芸能人なんじゃないかというくらいに全てが完璧だ。
「市古桃花、です……」
彼女をフランス人形に例えたら、わたしはこけしレベルだ。
いや、こけしすらおこがましい気がする。
「じゃあサラ、あとは頼む」
今まで黙っていた部長が口を開いたと思ったら、まさかの丸投げ宣言をして都築さんと共にドアに向かった。
「OK!」
それにネイティブに元気よく答えるサラさん。
「頼むって……部長、どこか行くんですか?」
ここに置いていかれても困る。
ていうか、どうしてわたしはここに連れてこられたのだろう。
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