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メイクもヘアセットも終わった時、部屋のチャイムが鳴り、対応に出たサラさんの代わりに戻って来たのは部長だった。
「サラとは仲良くなれた?」
優しく目を細めた部長は、わたしが座るソファの縁に座った。
「どうでしょうか……」
高い位置から見下ろす彼の視線から逃げて俯くと、ポンと頭に手のひらが置かれた。
「サラはただの幼なじみだよ。あんたがそんな顔をする必要ない」
指が、髪から頬へ、そして顎にかかる。
そこに力が込められると、上を向くように誘導され、そこにキスが落とされた。
「そういえば期待してたんだったな。あっちに行く?」
唇スレスレで発せられる囁きは、背筋を震わせる。
部長の指し示す方に目を向けると、ブラウンのシーツがシワひとつなくメイキングされた一人で寝るには広すぎるベッド。
それを見て、顔に火がついたみたいに熱くなる。
「ちがっ、違います! 誤解です!」
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