じゅうよん

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恥ずかしさで気絶しそうになりながら、ブンブンと左右に首を振る。 「冗談だよ。今さら急がねぇよ」 喉から笑いを漏らしながら、わたしの髪を撫でる。 「せっかく綺麗にしてもらったんだし、これに着替えてもらえる?」 差し出された紙袋には、誰もが知っているようなブランドのロゴが入っていた。 「無理ですっ。こんな高い服、着れません……第一、パーティーだなんて……」 「何も言わずに連れて来たのは悪かったと思ってる。……なぁ、桃花」 ソファの縁に座っていた部長が、絨毯が敷かれた床に膝をついて、わたしの手をとった。 それはあの日を思い起こさせる。 初めて部長にあった日。 トクン、トクン、と鼓動が煩いくらいに騒ぎ立てる。 「桃花も気づいてると思うけど、俺には桃花に言ってないことがたくさんある。でも、ずっと隠しておきたいわけじゃない。あんたに話す為に、そのきっかけが欲しいんだ。今日もそのうちのひとつだと思ってほしい」
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