じゅうよん

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     ※※※※ その後も何度かキスを迫られ、それをかわすのに四苦八苦していると、部屋のチャイムが鳴った。 「わたし出ます!」 助かった、と立ち上がると、チッと舌打ちが聞こえた気がしたけど、聞かないふりをしてドアに向かった。 開けたドアの向こうには、さっきと変わらないスーツを着た都築さんと赤いフレアのワンピースに身を包んだサラさんが笑顔で立っていた。 「市古さん、似合うねー」 見慣れないスーツ姿だけど、これはこれで別の魅力を放つにこやかな都築さん。 お世辞だとわかっていても嬉しくて、顔が綻んでしまう。 「ありがとうございます」 「モモカー!」 ギュッとサラさんに抱き着かれ、彼女の肩越しに見える都築さんの眉が下がる。 「コイツ、さっきからモモカーってうるさいの。かなり好かれちゃったみたいだよー」 恋人の座が危ういな、とぼやきながら都築さんは、部長が座るソファの隣に腰掛けた。
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