じゅうご

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車を下りて視界に入ったのは意外な光景だった。 パーティーというくらいだから、わたしが想像していたのは芸能人の結婚式みたいな豪華絢爛なものだったけれど、やってきたのはお洒落なレストランだった。 とは言っても、カジュアルな恰好では到底入店できないような場所だけど。 部長に肩を抱かれるままお店に入ると、わたしの日常では考えられないような空間。 ダンディーな男性やお上品な女性が和やかに談笑していて、その周りには色鮮やかな料理が並んでいる。 「モモカ、マサキ!」 わたし達をサラさんの声が呼び止めた。 辺りを見回すと、おじ様や奥様に紛れても金髪と赤いワンピースは一際目立つ。 「行こう」 部長の完璧なエスコートで何とか着いていくと、都築さんとサラさんの隣には彼女と同じ金髪碧眼で優しげな微笑みを携えた男性が立っていた。
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