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サラさんのお父さんの言葉に頷いた部長は、
「悪い。少し待ってて」
そう言うとサラさん父子と人の輪の中に紛れて行った。
「大丈夫。すぐ戻るよ」
三人が消えて行った方をただ見ていると、背後から声をかけられた。
「都築さん」
振り向くとにこやかにオレンジジュースを差し出す都築さんがいて、一人じゃないことに安堵する。
「ありがとうございます」
冷えたグラスを受け取ると、一口含む。
慣れない雰囲気からか、思ったより喉が渇いていたようで、グラスの中身はあっという間に半分にまで減った。
「ご利益、あったみたいだね」
「え?」
唐突な言葉に目線を上げると、
「天使。キューピッドになるようにってあげたでしょ?」
彼は、ニッと笑顔を浮かべた。
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