じゅうご

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「タイミングがなくて……」 見てくるべきだったなぁ。 女のくせに鏡を見ないなんて、と呆れられたかもしれない。 けれどタイミングがなかったのも事実で。 「間違いなくプレゼントだよ、それ。桃花ちゃんに似合ってる。後で見ておいで」 必ず、と強調して、都築さんはウェイターさんが持つトレイに乗った白ワインを取り、わたしに差し出した。 「飲める?」 「あの、お酒は……」 部長に飲むなと言われてから飲まないようにしていたため、断ろうとすると背後から腕が伸びてきた。 「コイツに酒はだめ」 「部長」 わたしの代わりにワイングラスを受け取ったのは部長で、差し出した都築さんは首を横に倒した。 「飲めないの?」 「そ、タチ悪いの。それより孝太朗、おじさんが呼んでる」 「マジで? ちょっと行ってくるわ」
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