じゅうご

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今度は都築さんが人の中に紛れた。 「何話してた?」 部長はワインに口を付けてわたしを見下ろした。 「えっと、サラさんが副社長だってことを」 「他には?」 片方の眉を上げた部長に首を振ってみせる。 「そう」 短く呟いた部長は、わたしのお皿に乗るイチゴが刺さったフォークを取って、それをわたしの口の位置で止めた。 「食べてないだろ」 こ、これは所謂アレですか。 あーん、とか言っちゃうアレですよね。 「じ、自分で……」 正直憧れではあるけれど、さすがに恥ずかしすぎる。 人目を気にしながらフォークを取ろうとすると、わたしにしか聞こえないような声で囁いた。 「このまま食べるのと、ここでキス。どっちがいい?」
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