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頭のてっぺんから爪先まで、カァっと熱くなる。
口の中で転がるイチゴを飲み込んでから、持っていたお皿を部長に押し付けた。
「化粧室っ、行ってきますっ」
部長の顔を見れないまま、駆け込んだ化粧室の鏡に映るわたしの顔はゆでダコ状態。
彼には羞恥心というものがないのだろうか。
人がいても、お店でも、そこが外だろうがお構い無しにキスをするのはどうかと思う。
というか、わたしの心臓がもたない。
ほんの少し唇が触れただけで全力疾走したみたいに脈拍が早くなるのに、そんなわたしを見て部長はいつも余裕の笑みを浮かべる。
わたしだけがドキドキしてるみたいで悔しい。
はぁ、と大きな溜め息が漏れたのと同じタイミングで個室から出てきた女性に不審な目を向けられ、慌ててポーチを漁る。
化粧直しの後、手を洗うといつもと違うファッションのわたしと鏡の中で目が合った。
「あ……」
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