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そんな風に言ってもらえたのが嬉しくて、彼の胸元に擦り寄った。
すると腕枕をした方の手でわたしの髪を梳く。
その指は優しくて、眠気を誘う。
「眠い?」
「ん、大丈夫です……」
「寝ていいよ。疲れただろ?」
部長はそう言う間もずっと髪を撫でてくれて、まだ起きていたいのに、心地よさから瞼が下りていく。
「ごめ…さ……」
「うん。おやすみ」
二度目のおやすみはさっきよりも何倍も優しくて、安心感からすぐに意識が遠のいた。
「好きだよ、桃花」
ユラユラする意識の中、うっすらと聞こえた言葉は、夢なのか現実なのかわからなくて。
けれど何も考えることもできなくて、ただ感じる幸せに微笑んだ。
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