じゅうろく

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そんな風に言ってもらえたのが嬉しくて、彼の胸元に擦り寄った。 すると腕枕をした方の手でわたしの髪を梳く。 その指は優しくて、眠気を誘う。 「眠い?」 「ん、大丈夫です……」 「寝ていいよ。疲れただろ?」 部長はそう言う間もずっと髪を撫でてくれて、まだ起きていたいのに、心地よさから瞼が下りていく。 「ごめ…さ……」 「うん。おやすみ」 二度目のおやすみはさっきよりも何倍も優しくて、安心感からすぐに意識が遠のいた。 「好きだよ、桃花」 ユラユラする意識の中、うっすらと聞こえた言葉は、夢なのか現実なのかわからなくて。 けれど何も考えることもできなくて、ただ感じる幸せに微笑んだ。
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