にじゅうよん

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「それじゃあ、好きな食べ物は?」 ベッドサイドのライトだけを灯した寝室で、わたしは眞生さんの胸に背中を預けて座っている。 『明日も休みだし、たくさん話がしたいです』 そう言ったわたしに嫌な顔せずに眞生さんは頷いてくれた。 きっとわたしの異常な緊張が伝わったからだと思う。 「そうだな……野菜がたくさん入った味噌汁が好きだな。家に帰ってきたなって気がする」 「作りますっ」 「楽しみにしてる」 そんな会話をして一時間近くが経っていた。 眞生さんと一緒に暮らすということに緊張感を抱えていて、何とかして誤魔化そうとするわたしの髪に、彼の指が滑り降りた。 途端に跳ねるわたしの心臓。 「……桃花」 それを知っているかのように、わたしの耳元で囁く甘い声。 きっとくっついた背中から、わたしの慌ただしく加速する鼓動が伝わっている筈。
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