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いつもより饒舌に甘い言葉を与えてくれる眞生さんの、苦しいくらいの想いに胸が震える。
でも、だからってずっとそれに甘えているわけにはいかなくて。
「あ、あの……」
「ん?」
どうしよう、ドキドキする。
心臓が壊れてしまいそう。
わたしの首元に顔を埋めたままの眞生さんにも、わたしの鼓動が聞こえているのだろう。
あやすようにわたしの髪を撫でてくれる。
「あ、あの……わたしには……その、け…経験がない……と言いますか……えっと……」
「……うん」
いきなり何を言い出すんだ、と思われてるかもしれない。
わたしだって、こんなことを言うのは恥ずかしいけれど、ちゃんと伝えないといけないと思うから。
「正直に言えば……こ、怖い…です……」
「桃花? 俺は……」
「……でも、わたしの全部は…眞生さんに、あげたい……。けど、もう少しだけ…待ってほしい、です……」
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