にじゅうはち

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もっと、と貪欲に彼に触れられることを求めるわたしは、ゆるりと顔を上げて触れるだけのキスをした。 言葉にならないこの感情を、どう表していいのかわからなくて。 『好き』じゃ足りなくて、キスじゃもどかしい。 「……桃花?」 眞生さんの脇腹あたりのワイシャツを控え目に掴んでいた手を、彼の首に絡めると、ぎゅっと抱きついた。 わたしの髪を遠慮がちに掻き上げる。 「好き……」 クラクラするのは媚薬みたいな香りのせいなのか、たった一口飲んだだけのアルコールのせいなのか。 熱に浮かされたように、好きだと訴え続けるわたしの後頭部に手が添えられたと思った瞬間、掻き上げられて露になった首に吐息が吹きかかる。 「……っ」 一瞬、触れることを躊躇ったかのような唇は、すぐにわたしの首に粟立つ刺激を与えた。 何度も唇が触れては離れ、ゆるゆると這うように移動するそれは、やがてわたしの唇を捕らえる。
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