にじゅうきゅう

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     ※※※※ それから目まぐるしい日常が始まった。 一日中社外に出て走り回ることも多く、企画部の椅子に座って仕事をする時間はごく稀だったりする。 今までとは正反対のそんな毎日はすごく大変だけど充実していて、少しずつ新たな自分を発見していったりしている。 「あれっ? ベリー先輩と宮前先輩、今日は外回りじゃないんスか?」 ミーティングという名の朝礼が終わってもパソコンや書類に向かうわたしたちを、ファイルやらが山積みになった、通称ジャングルの向こう側から四方くんが覗き込んだ。 「良かったわね、四方。あんたに私のコーヒーを淹れられる名誉を与えてあげるわ」 相変わらず四方くんに対しては女王様目線な綾野ちゃんが微笑むと、四方くんは本能で逆らえないと察したらしく、ひきつった笑顔のまま給湯室へと向かったようだった。 「あんまり四方を苛めんなよ。セクハラで辞めていくんじゃねーの?」 四方くんと綾野ちゃんのやりとりを見ていた保田さんが溜め息混じりにぼやけば、輝かんばかりの笑顔を浮かべた綾野ちゃんが保田さんを見やる。 「そこはパワハラじゃありません?」 「うるせー。宮前の場合は、どう見てもセクハラなんだよ」
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