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一人寂しくサンドウィッチをかじりながら、パソコンとにらめっこ。
企画部員は全員お昼に出てしまい、部署にはわたし一人が残っていて、無駄に静かな空間にキーボードの音が響いて、余計に寂しさを煽られてしまう。
ぬるくなったミルクティーでパサつくサンドウィッチを流し込んで、両手を伸ばしてひとつ背伸びをした。
「疲れた……」
さすがに休みなくパソコンを見ていると、目に負担がかかる。しぱしぱと疲れを訴える目を少しでも休めようと、瞼を閉じるてみたけれど、視界を遮断すれば頭の中に色々なことが駆け巡る。
報告書はもちろんデータ処理のこととか、新店舗のこと。それにこれからの嵩原さんとの打ち合わせ。やらなきゃいけないことは山積みで、なのに一日は二十四時間しかない。
毎日、焦りそうになる気持ちを抑え込んで目の前のことだけに打ち込むようにしてきた。
当然限界もあるけれど、楽しく仕事ができるのは見守っていてくれる人がいるからだと思う。
彼も、こんな気持ちだったのだろうか。
どんなに忙しくても、受け入れてくれる人がいる。そう思うだけで、色々なことをがんばれる。
彼の中で、わたしもそんな存在になれていたのだろうか。
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