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何度絶頂の嵐に翻弄されたのか、さなえの頭の中は真っ白になったままだった。
すでに両手で体を支える事は出来なくなっていた。上半身は崩れ落ちて、顔を床にくっつけて体を支えている状態だった。床はさなえのよだれと涙で光っていた。
しかしさなえの下半身はまだ男と結合したままだった。男がさなえの腰をしっかりと抱えたままだったので、崩れ落ちる事も出来なかった。
さすがに男の額にも汗が滲んでいた。だがさなえが少し落ち着きを取り戻したとみるや、また大きくスライドを始めた。
「ア~~ッ。イヤ~。お願い。もうやめてッ。」
さなえは悲鳴を上げた。男はそれに構わずにどんどん激しく腰を打ちつけた。
「イヤ~ッ。死んじゃう~ッ。お願いやめて~ッ。」さなえは床に額をこすりながら最後の力を振り絞って叫んだ。
「ウッ。」
さなえの膣の中で男のモノが一段と大きさを増したと思った瞬間、大量の熱い男の精子が子宮に降りかかった。
「ア………ッ。」
新たな絶頂と共にさなえの意識は途切れてしまった。
目を醒ますとさなえはベッドの中にいた。
一瞬自分がどこにいるのかわからなかった。
「目が覚めたかい?」
男の声でハッと思い出し、さなえは横を向いた。
さなえは男の腕枕の中で眠っていたのだった。
「ごめんなさい。」そう言って慌てて起き上がろうとするさなえを男は優しく制した。
「いいんだ、このままで。」
さなえは首輪が外されているのに気がついた。
「首輪が外れてるだろう?今のさなえは、奴隷ではなくて私の大事な彼女なんだよ。」男はさなえの髪を撫でながら優しく言った。
さなえの目からは大粒の涙が溢れ出てきた。嬉しかった。男が優しいのもそうだが、それ以上に男が大事な彼女だと言ってくれたのが嬉しかったのだ。
「泣くなよ。可愛い顔が台無しだぞ。」男に言われてさなえは泣きながら笑顔になった。
男は優しくキスをしてきた。
「ご褒美ね。」
「ああ、そうだ。頑張ったご褒美だ。」
「いっぱい頂戴ね。」
さなえは男と熱いキスを交わしながら、幸せを感じていた。
『嬉しい。私はこの人の彼女になれたんだわ。この人が望むなら何でも出来る。私の心も、この体も、みんなこの人のもの。』
さなえはまた一歩、愛奴への階段を登り始めたのだった。
完
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