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男の優しくねっとりとしたキスで、さなえはすでに体が疼き始めているのを感じた。
男はキスをしながらも、右手てさなえの乳房を服の上からまさぐるのだった。
「あっ。あぁ~。」男が唇を離すとさなえの口から思わず声が漏れた。
「いいんだね?」男の問いかけにさなえはコクンと小さく頷いた。
メールのやり取りをしているときからすでに、さなえは男に心を奪われ始めていた。実際に会ってからも、さなえの男に対する気持ちは変わる事はなかった。むしろ、早く男に体を奪われたいと思うようになっていた。早く男の言いなりになって、心から尽くしたいと思っていた。
「キミの心も体も、もう私のものだからね。」男はそう言うともう一度さなえの唇に軽くキスをした。
さなえは目を閉じてそれを迎えた。
男は車を駐車場から車を走らせた。車内で男はさなえの緊張を解そうとするのか、たわいのない話をしていた。だがさなえ の耳には何か遠い所から話しかけられているかのように、届いてはいなかった。
さほど長い距離を走らせる事もなく、車はラブホテルの駐車場に滑り込んだ。 男に促されて車から降りたさなえは、足が小刻みに震えているのがわかった。
さなえは、調教はおろか夫以外の男性とホテルに来る事自体が初めての経験だったのだ。
男は後ろの座席から黒い大きめのバッグを取り出すと、さなえの腰に手を回して入り口に向かった。
そのバッグに何が入っているのかさなえは知らなかったが、さなえを奴隷として調教していく為の道具が入っている事は察しがついた。
今まで経験した事のないアブノーマルへの世界への恐怖というものが今更ながらにさなえの歩みを重くするのだった。
だが男の強い力で、半ば引きずられるように部屋へ入るとさなえはソファーに倒れ込むように座った。
男はさなえの隣に腰を下ろすとさなえを愛しむように髪を撫でた。
「さなえはこういうの初めてだったよね。」男は確認するように話し掛けた。
「…はい。」さなえは小さな声で答えた。
「大丈夫。最初からいきなりハードな事はしないよ。少しずつゆっくりと、私の好みの女に変えてゆくよ。」
男はそう言うとまたさなえの顔を引き寄せてキスしてきた。
さなえの緊張、恐怖が少しずつ溶け初めてきた。
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