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「表情コロコロ変わって、怒ったり、泣いたり、笑ったり、
まるで…ペットみたいだ」
そう言って男はニカッと笑った。
っなんなのよー!
完全にばかにされてる。
「もうっ!ばかにしないでよっ!
わかったよ…。一緒に住めばいいんでしょ!
…そうするしかなさそうだし。
あ!
一緒に住むからにはアンタと私の立場は対等だからね!
年上だからって偉そうにしないでよねっ」
半ば開き直って美由が言った。
「はいはい、分かったからそんなムキんなんなよ。
あ、俺、斎藤秀士。
よろしくな」
秀士が手を差しのべ自己紹介する。
美由はムッとしたまま、短く言葉を返す。
「私、佐久間美由」
「んっ」
と秀士はその手をさらに美由に向け近づけた。
しょうがないな…と諦めがちに美由も手を差し出し、ふたりは握手を交わした。
―これが…こんな運命みたいな偶然が、あなたと私のはじまりだった。
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