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帰り道―
行きにしっかり睡眠をとった美由は、いつもにも増してよく喋った。
「それにしても…
先生って案外ロマンチストだね!」
「は?なんだそれ?」
「え~だって、星とか、ネックレスとか?
すんごく嬉しかったけど、意外っていうか…」
「あー。柄にもねえよな。
俺も、んなこと初めてした。」
「そうなの?!」
「ん?ああ。プレゼントなんかしたのも、あそこに連れてったのも。」
「ほんと?」
「俺はお前に嘘はつかねえ。
あそこの星、ほんとは冬に見せたかったんだ。」
「冬に?」
「オリオン座。
めちゃくちゃ綺麗なんだ。」
「オリオン座って、星座の?
えー?ならさっき見たかったな。」
「お前、やっぱ中学戻ってやり直せ。
オリオンは冬の星座だ。」
「……」
あ、そだ!
とばかりに話をすり替える美由。
「先生の誕生日っていつ?」
「なんだ?いきなり。
11月24日だけど?」
「わー!だったら、先生の誕生日また星見に行こ?連れてって!?
私、オリオン座見ながら祝いたい!」
「寒いぞ?
それに…俺の誕生日なのに、俺が連れてくのか…」
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