近づく距離

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ファミレスを後にし、 涼子と街でぶらぶらし家に着いた頃には、辺りはすっかり暗くなっていた。 あー、今日も遊び疲れちゃったな…。 あと少しで家に着くし… 帰ったらゆっくりしちゃおっ。 と、そんなことを考えていた時… 「ねえ、君かわいーじゃんっ。 今からどっか行こうよ!」 すれ違いざまに知らない男に声をかけられた美由。 「いえ、えっと、もう帰らなきゃなんで!スミマセン」 もぉ、早くどっか行ってほしい…。という美由の願いも虚しく… 「いーじゃん!まだそんな遅くないしっ。 なんか買ってあげるよ!?」 私は子どもかぁ! もう、ほんとやだー。 「いらないですっ!」 その時、美由は男にガシッっと腕を掴まれた。 「ちょっと!やめてください!!」 美由は必死に腕を振り払おうとしたが、やはり男の力には敵わない。 「いーじゃねえかよ!一回くらい。 夜遊びしてる女がもったいぶってんじゃねぇよ!」 今まで穏やかだった男が突然豹変し、美由は一瞬ビクッとして身体を揺らした。 「夜遊びなんかしてません。 お願い、離して!」 美由は泣きそうになりながらそう言った。
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