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どうしよう…。
いくらお父さんのせいだからって…こんなこと言ったら、すぐにでも一緒にアメリカこいなんて言われかねないし…。
だからと言って自分じゃ、引っ越すお金もないし…どうしようもない。
仕方ない…ここはこの人に一肌脱いでいただこうかな?
美由は控えめにチラリと男に目をやった。
「あ、あのっ…」
「言っとくけど、俺は新しい部屋なんかかりねーよ。
お前バカなくせに考えてることまるわかり。
あー、そうゆうのバカって言うんだっけ?」
何なのよ…どうして今日初めて会った人にここまで言われなきゃなんないの…。
…ポロッ。
男の心無い言葉が悔しくて、美由は涙を堪えきれなかった。
「えっ…」
少し男は動揺した。
「なによっ…、人のこと、バカだのアホだの。
私だって好きでバカなんじゃないし…
こんなことになって…どうすればいいかもわかんないし…」
楽しみにしてたとは言え、不安がないわけではなかった新しい生活。
更には突然のトラブルで今日初めて会った人の前で美由は子供のように泣いた。
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