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職員室の端に、捜しているものはあった
真新しいコピー機
周りにはザラ紙が山となって積まれている
「回答は…まぁ写らないだろ」
シャーペンで書いた回答を裏にして機械に取り込む
「氷河、平気かしら」
「まぁ宿題以外で叱られるような事も無いだろうし、大丈夫だと思うよ」
多分だけど
「…よし、コピーし終わった」
「なら早く戻っ「綾人くーん!!永倉ー!!」
職員室の直ぐ外で氷河が騒いでる。何だ、戻って来たのか。行く手間が省けた
近くへ向かうと、手の甲を頬に当てて小声で話しかけてくる
「(どう?出来た?)」
「出来たよ。先生方が見逃してくれたお陰でね」
「マジ!?良かったー」
プリントを手渡す
笑顔から一変、慌てて制服の下で丸め込む
「…何焦ってるんだ?それと傲慢先生の姿が見えないけど」
「分かんない所がある、って言ったら問題集渡されてさー。解けねーし逃げてきた」
「バカだよ。君は本当にバカだ」
そんな事したら益々命が危ういじゃないか
「あ、先生!先生!」
「「何だいのびた君」」
「いや、そうはならねえだろ」
プリントを持ってない方の手をぶんぶんと振り、笑顔に戻る氷河
「サンキュー!!」
「気を付けて下さいよ」
「次は無いからね」
「はいはーい!」
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