宿題

11/11
17人が本棚に入れています
本棚に追加
/116ページ
────── チャイムと同時に教室に駆け込んだ僕らは、傲慢先生のおとがめ無しに授業を受ける事が出来た 危ない。ここで遅刻なんかしたら、今までの苦労が水の泡だ 「んじゃ、こないだ出した宿題あったろ。提出しろ」 「はいはいはーい!」 勢いよく手を上げる氷河 そうだよな、頑張ったしあれだけ嬉しそうにするのも分かるよ 心なしか、先生の表情もいつもより輝いてる気がする 「何だ、やって来たのか」 「何だって何すかセンセー!俺頑張ったんすからねー!!」 「わーったから出せ」 ほら、示すようにと教卓を叩く 勿論、真っ先に提出したのは氷河だ 「見てよコレ!!よく出来てるっしょ!!」 …僕の回答を写したから調子に乗ってるな。全く… 「……氷河」 「何?満点過ぎて言葉も出ないとか?」 プリントを回収しようとする先生の手が止まる 対して、未だ気付かずににっこにこと笑い続ける氷河。まずい、何か間違えて教えたか…? 「馬鹿。これは違うプリントだろーが」 プリントを摘まんで返す 良かった、間違えてたのは提出物だったみたいだ 「うっそー。じゃあコレだ」 「英語の問題」 「んじゃコレ」 「テストの回答用紙」 「じ、じゃあこっちは…」 「面談のお知らせ」 「あ、あれー…まさか無くし…」 「……」 「…あの、」 「忘れたのか」 腰の拳銃を抜き、こめかみに青筋を浮かべる先生 「氷河ァ…頭か心臓、どっちが良いか選ばせてやる」 ドンドンガシャーンバリバリ 「もう…付き合ってられるか」 激しい銃声と悲鳴を背に、僕は保健室に向かったのだった .
/116ページ

最初のコメントを投稿しよう!