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「じゃあ、もう行くね」
呆然と立ち尽くす俺を置き去りにして凛子先輩は小走りに去っていく。
その後ろ姿も美しい。
だけど…。
その後ろ姿をずっと見ることが出来ず。
俺はガックリと項垂れた。
「…八回目だな」
「だな」
いつの間に来たのか。
福田と原田が俺の両隣に立っていた。
「教室に戻ろうか」
「行くぞ、松嶋」
二人が宥められるように肩と背中を優しく叩いてくる。
俺は黙って頷くことしか出来なかった。
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