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松嶋、八回目の失恋後―
脱力しきった松嶋を二人で支えながら教室へ戻った。
なんとか五時限目に間に合ったが、松嶋の落ち込み具合はハンパない。
『まずいな』
『うん』
目配せし合うが対処に困る。
これからどうしたらいいか…
さっぱり分からない。
無言で机に俯せる松嶋に二人は困りきった。
福田と原田は小学生の時からの親友である。
阿吽の呼吸で通じ合ってる二人はいつも一緒だった。
目立つ彼等の間に誰も入れなかったし、二人も進んで誰かを入れようとしなかった。
特に自分達から親しくなろうとアプローチしたことがなかった。
高校で松嶋祐希と出会う前は。
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